【第2部】R.I.P.CIA Special Agent Mr.K#1 Part2

【第2部】R.I.P.CIA Special Agent Mr.K#1 Part2

公安調査庁のエージェントであり、その後CIAのエージェントであったK氏が、私のその国家による大規模な包囲網を個人的に?解決に協力してくれたのであったが、調査していく中で次第に、皇室絡みの問題がある事が判明し、その過程においてK氏が、内閣情報調査室、いわゆる【 内調 】という日本のCIAとも云われる政府機関の、どういう理由か何故か出て来た外事の部長や、また宮内庁の職員とK氏が対話を重ね、更に天皇学習院時代のご学友の何人かとまで会談をしてもらっていたのであるが、その最中、突然K氏がK氏自身の会社も閉鎖して行方が分からなくなってしまったので、この問題解決も中断を余儀なくされてしまい、私は大変に困っていたのだが、ようやく住民票からK氏の行方を追って探し出したところ、住民票によればK氏は自宅から病院に住民票を移し半年程その病院に住民票を置いており、そこから同じ市内のアパートに移っていたのだ。住民票を出してきた市役所の職員も、『 病院に住民票を移すのは禁止なのでこんな事は普通は考えられませんねえ。』 などと言って驚いていた様子であった。


私は早速、住民票にあった住所である移転先のK氏のアパートに訪ねて行くと、以前K氏の住所を訪問した時には、K氏は、奥さんと小さいお子さんと一緒に同じ市内の立派なマンションに住んでいたのであるが、久々に訪問すると、同じ市内ではあったのだがそこは以前に住んでいた住居とは全く違う、あまりにも酷くボロいアパートに住んでいたのだ。その上K氏は、車椅子に座っており口もろくにきけない状況になっていたので、いったい何が起きたのかと非常に驚いた。
あの頭の回転がずば抜けて早く、せっかちで早口だったK氏のあまりの変わり様に、私は愕然とした。するとK氏は何と私を見た途端になぜか無理矢理追い返そうとして110番通報をしたのだ。

困った私は、K氏から、K氏が昔から親しくしている刑事だと言って、以前に一度会わせてもらった事がある、警視庁本庁から所轄の警察署に出向していた後に、また警視庁本庁の捜査○課に戻っていた刑事に取り敢えず電話をして、軽く事情を説明したのだ。


私はこの刑事が警視庁本庁から所轄の警察署に出向している時にK氏と一緒に所轄の警察署を訪問し、この刑事に会いに行った事があり、そのK氏からこの刑事を紹介された際、その刑事から、私は警視庁のマスコットキャラクターのピーポくんのカラーイラスト付きの名刺を頂いていたのだ。その時に私は、『 このピーポくんのカラーイラスト付きの名刺というのは警視庁の本庁から出向してる刑事だけが持つ事が出来るものであり、所轄の普通の刑事は持つ事が出来ないから、その名刺はとても希少価値があるんですよ。だから大事に持っていなさい。』とK氏から言われていたのだ。まあ確かに言われてみれば、一般に所轄の刑事の名刺でピーポくんのカラーイラスト付きの名刺は見た事が無いなあと思ったのを思い出し、ちょうどその時にこの名刺を持ち歩いていたのだ。

するとその警視庁本庁に戻っていたそのK氏の友人の刑事は『K氏に会いに来たからって別に法律違反でも何でもないんだから、またちょこちょこ様子見ながらK氏のところに来ればいいじゃない。大丈夫だよ。またちょっと日にち置いてさあ。』と、言ってくれたのだ。
私は序にもう一つその刑事に質問した。『K氏は元公安調査庁の職員で、その後CIAのエージェントだったというのは本当でしょうか。』と尋ねるとその刑事は『Kさんが自分でそう言ってたんでしょ。だったらそうでしょ。』と言われたのであった。

その後K氏宅にやって来た警察官に少し事情を説明すると、警察官の方々は『 我々は民事には介入出来ませんから。なんか今Kさんも大分興奮してるみたいだし、かと言って貴方も困ってるんでしょうから、しばらくしてからまた訪問すればいいじゃない。まあKさんもこんな状態じゃあ話するって言ってもなかなか難しいかも知れないけど、貴方もそれじゃ納得出来ないのならまた来てみれば。』と言われたのだ。それでも一応無理矢理少しだけ事情を聞くと、K氏は外で突然倒れ、脳梗塞だか心筋梗塞で長い期間意識不明だったらしく、気付いたら病院のベッドに寝ており、住む所も無く離婚までされていたのだというのだ。K氏はまだ50代半ばなのにだ。更に外で倒れた時の記憶さえ無いという。その話を聞いている時にK氏の部屋の後ろの本棚を何気なく眺めると、その本棚には一般書籍では無く、【刑法】等といった文字が含まれている、実に読み辛そうな専門書ばかりでその壁一面の本棚がビッシリと埋め尽くされていたのだ。当たり前だが、K氏はやはりれっきとした紛れも無く正真正銘のエージェントであり、本当に頭がいい人なんだなあ。それと公安調査庁やCIAのスペシャルエージェントには、やはりこうした専門的な知識が沢山必要なのだなあ。と私はしみじみとした気持ちになり、また改めて心の底から深く感心したのだ。
そんな凄い人物でさえもこんな最悪の事態を回避出来なかったのであったか!
いったいどれ程悪い奴らがこうした酷い事を計略し、実行させて私達を苦しめているのだろうか?この国の中枢を巣食っている者共の極悪非道ぶりといったら、全くどんな悪人やヤクザも比では無い程だ。 私に関わると私を含め、皆酷い目に合されるのは日常茶飯事では有るのだが、K氏だけは抜群に頭もキレるし何しろ元公安調査庁の役人でCIAに移ったくらいの切れ者であるし、K氏であれば絶対に大丈夫だろうから、兎に角K氏さえ見つければ何とか解決出来ると強く思い込んでいただけに、私にとってもやっと見つかったK氏が、突然重度の身体障害者になってしまっていた事は、非常にショックだったのだ。
だがK氏はこんな事になったのは私に関わったせいだと思い込み、私の突然の訪問に取り乱し怒って追い返そうとして110番して警察まで呼んだりしたのだろうが、確かに私に関わったからというのは間違いでは無いにしても、重度の脳障害により判断力が鈍くなるのはまあ理解するが、だがいくら何でも私のせいにするのはあまりにもお門違いだろうと思った。私はあくまでもこの国家による大規模な人生全般に渡る他に例を見ない程の壮絶な嫌がらせの被害者なのだ。だがどんなに嘆き悲しんだところでただ顔が浮腫むだけだし、自分の足で立ち上がらない限り、誰も助けてはくれないのだ。
被害者である私を責めるよりも、責めるべき相手は、明らかにK氏が倒れる頃まで私の件で話し合いを持っていた内閣情報調査室【内調】の外事の部長や宮内庁の是枝という人物達のせいであろうに。
私にしてもK氏がこんな事になってしまい、いったいどれ程悔しい事か。


それに私だってちょうどそのK氏にこの件を全て任せる直前迄、大物で力のあると言われる人物【 静岡にあった山口組後藤組という芸能界でも凄い力を持っている組の企業舎弟であり、新党大地の代表で元衆議院議員鈴木宗男氏と一緒に元中川一郎という、自殺した大臣の秘書をやっていた渡辺あきら氏がその後藤会長に頼んでくれていて解決に協力しようとしてくれていた事】や、私の友人のご主人であるエイベックスの作曲家兼アーチストでもある方から他にあの有名な【 ミナミの帝王 】の萬田銀次郎のモデルになった金融会社の社長にも、相談に乗ってもらう為に具体的に会わせてくれる事になっていた【 詳細は後程】のであったが、K氏から私に『 もしそうした人達との関わりを全て完全に断ち切るならば、元公安調査庁の職員でありCIAのエージェントである僕が、この問題を個人的に全面的に解決に協力してもいい。』、と言われたのだ。そして【 この件に関してはK氏だけに任せ、他の誰にも決して相談してはならないし、例えどんなに力のある人物でもこの件に交えてはならない。】と厳しく言われていたのだ。
更にK氏は『 ヤクザとは決して関わってはいけませんよ。いくら取れた金額の折半にしてくれるって言っても半分は持っていかれてしまうんだし、本当に取れた分の半分をくれるのか信用も出来ないし、そりゃ一部はくれるんだろうけど。第一、公安調査庁とヤクザのいったいどちらが強いと思ってるの?はっきり言って比べ物になんかならないよ。ヤクザを潰す事なんて公安調査庁からみれば、あまりにも簡単過ぎて赤子の手をひねる様なもんだよ。それにヤクザはどこにでもいるけど、僕の様な公安調査庁の人間にはそうそう会えないよ。それに、言っておくけど、ヤクザではこの問題は根本的な解決には絶対に至らないよ。君のその問題をその程度のつまらない話で終わらせてもいいのならヤクザにでも頼んでみればいいじゃない。』と、私に言ったのだ。
そう言われてみて私は、【 その程度のつまらない話で終わらせてもいいのならですって!?それ一体どういう事よ。】何かK氏の話を聞いていると、どんな力がある有名なヤクザの組長や、あの有名なミナミの帝王よりも公安調査庁の方が全然力が有りそうだ。それに親身になって力になってくれる元公安調査庁の職員なんて、間違い無くなかなか会えそうもないレアキャラだろう。それに根本的な問題解決が出来るなら、それが一番大事な事であり、だいいち【 その程度のつまらない話で終わらせていいのなら 】なんて言われてしまうと、一瞬金に目が眩みつまらない物を掴まされるところだった様な、何だか危うく、酷く損をするところだった様に思えたのだ。

K氏はまた、『 あとこれだけは言っておくけど、この件では絶対に公安調査庁は関わってないからね。だから君が包囲網を敷かれて嫌がらせをされているのを公安調査庁のせいにだけは決してしないとそれだけはまず先に約束しておいてもらわないとね。それだけは絶対に違うし、それを公安調査庁のせいにされてしまったら、僕も君の問題解決には協力出来ないからね。僕は元公安調査庁の職員として、あくまでも個人的にこの問題に興味を持って君に協力するだけだから。それに、僕も君の話を聞いてて僕なりに思うところがあったから。』と言われていたのだ。


後でこの件については詳しく述べるが、K氏が私の前から消える少し前から、K氏は、『 まあこれをやっているのは内閣情報調査室、いわゆる【内調】だと判明したから。ただ奴等は本当にヤバい。だが公安調査庁の資料室には日本の大抵のちょっとした力のある人物の事は、全て徹底的に調べ上げていて、その人物の弱みを抑えてあり、調査報告書が全て資料室に保管してあるんだよ。誰かに本当の事を話させようとする時は、公安調査庁の人間は必ずその資料室の調査報告書を使うんだ。その調査報告書を資料室から取り出して持って行けば誰だって簡単に口を割らざるを得ないからね、そんな事に時間をかけてられないし、一番手っ取り早いんだよ。いいかい、どんな人間にだって徹底的に調べ上げれば必ず弱みがあるんだよ。そこを突けばいいんだよ。だから話し合いの場には必ずその相手の調査報告書を公安調査庁の資料室から取り出して持って行って、まずは相手の言い分を聞いて、まあ最初はどうせみんなとぼけるものなんだけど、こちらがいくら丁重にお願いしても相手がとぼけてきて、【 白を切り通す気だな。これではとてもお話にならないな。】とこちらで判断したら、その調査報告書をサッと出して相手に突き付ければ、まあまず必ずまともな話が出来るよ。でも逆にそういった相手を窮地に陥れる程の調査報告書で無ければ、連中は勿論、こっちをなめてかかるし、まともに素直に話し合いに応じる訳が無い。それにその対象人物も他から脅しをかけられている可能性も高いからねえ。そうしたらそれ以上の脅しをかけるか、『 吐いちゃえば楽になるよ。正直に吐いてもらえば、逆にこちらがその対象人物を守ってやればいいんでしょう。』ともっていくんだ。まあこちらは勿論どこにも負けるつもりが無いしね。』とまあ、みんなそんなもんだよ。そこまでの弱みを突かれ無ければ、本当の事なんて正直に話す奴なんて誰も居ないよ。時代劇だってそうでしょう?いくら力があったって有無を云わせぬだけの悪事の動かぬ証拠を突きつけなければ悪代官共だって【証拠を出せ。】とうるさいんだし。

ただ内閣情報調査室【 内調 】の連中は本当に慎重に気を付けないといけないけどね。ここはここで公安調査庁よりも力がある部分もあるからね。だが【 内調 】の外事の部長の弱みが書かれた調査報告書も資料室にちゃんと保管して有ったし、それは既に取り出してあって、もう全て弱みは掴んでいるから。まあ、あとはこれを持って【内調】の外事の部長と会って話をするのが楽しみだよ。』と言っていたのだ。

『 それで、その公安調査庁の資料室に有った調査報告書に書かれていた、内調の外事の部長の秘密って、いったい何が書かれていたのですか?』と、私が聞くと、
『 それはアメリカで起きた9.11のテロの件なんだけどね ...。』
この件とそこからK氏に相談する迄の間の事は、後程詳しく説明する。

が、とにかくその前の衝撃的なK氏宅への訪問からしばらくして、再度私がK氏宅の引っ越し先に訪問した時には、K氏は同じさいたま市内のアーバンみらいにある、新しい身体障害者用の完全バリアフリーの公団に転居していたのだ。
玄関のドアも一般的な手前に引くタイプでは無く、身体障害者用のトイレのドアの様な横にスライドして開けるドアになっており、車椅子のままで部屋の中を移動して過ごせる様に、段差なども無い作りになっていてとても良く出来ている立派な公団であった。また介護センターのスタッフもよく来ている様子であった。
K氏は、それまでのご家族と一緒にいた頃の立派なマンションから、意識を取り戻した途端に突然、自分の全く知らぬところで離婚されており、その上身体障害者になっていて、住んでいたマンションも引き払われ、いきなりあの酷いボロアパートでは、さすがに余りにも酷すぎて、いくら強靭の精神の持ち主であろうが、さぞや精神的にも辛かったに違い無い。

だがその後、新しいバリアフリーの良く出来た造りの公団に移った為か、K氏の気持ちもかなり安定している様子だったので、勿論、K氏程の人がこの様な状態になり無念では有るだろうが、住居環境は改善されていたので、私も少し安心した。
またそれだけでは無い。K氏は以前私が訪問した時は、110番通報して警察まで呼んだというのに、どういう風の吹き回しなのか、『 私が病院に行く曜日で無ければ、いつでも午前中なら話を聴く事は出来ますよ。玄関のドアの鍵は開け放して置きますからいつでもどうぞ。』 とまで言ってくれたのだ。
未だ歩けないままで口元も覚束無かったのではあったが、頭の中は、と言っても以前程では無いかも知れないが、かなりしっかりとした様子であったので、私は、【 このまま何とか早くリハビリ等で以前の様に元通りに回復して活躍してくれればいいのだが。】と、願ったのであった。