#3完全犯罪【4】 CIAエージェントからの国家権力に対峙するアドバイス

#3完全犯罪【4】

CIAエージェントからの国家権力に対峙するアドバイス

『 もしこのまま俺達が引き裂かれて、向こう【私達を引き裂こうとする人々や権力】に従った結果、結局は騙されてただ単に二人を一人ずつにして力を弱らせてから潰そうという作戦であり、ペルシャ【松岡との間の私の愛称】が更に酷い状況に陥れられたとしても、保険として、まずはこの事務所を軌道に乗せて、先にお金を貯めてから離れれば、表向きは俺の会社だけど実際は二人の共同経営なんだから勿論半分はペルシャ【私の愛称】に渡すし、必ずお金を残してペルシャをずっと待っているから。だからその為にもこの事務所が軌道に乗るまでは、いくら周囲から【取り敢えず一旦松岡から別れろ】と言われても、絶対に俺から離れないで。それに、もし俺と離れてペルシャ【私の愛称】が騙されて失敗しても、戻って来た時に俺が貯めておいたお金が有るんだからその方が安心だし、確実に信頼出来るのは世界中で俺しかいないでしょう。俺は何があったっていつだってペルシャ【私の愛称】の味方なんだし、俺がペルシャ【私の愛称】を裏切るなんて事、100%有り得ないんだし、それは絶対に約束するから。だけど俺一人で事務所を経営しても間違い無くすぐ潰されるだけだし、それに俺をこっちの道に誘って会社まで辞めさせたのはペルシャ【私の愛称】の方なんだし、あの時、必ず事務所を成功させるからって俺に約束したじゃない。それなのにこんな状況で、事務所が軌道に乗る前にもしペルシャ【私の愛称】が俺から離れて勝手に出ていったら俺、本当に自殺するからね。これは冗談じゃないから。』と、私は松岡からいつも言われていたのだ。
私も【 確かにそれもそうだな。松岡に対して私が責任があるのも事実だし、それに結局確実に信用出来るのは松岡しかいないし、騙された時の為の保険としても、お金だけは絶対に作っておかなければ、お金が無ければ足元を見られて弱みに付け込まれ、より簡単に潰されてしまうから。】と誰も信用出来ない中で危機管理的に考え出した事であったのだ。
それに周りに信用出来る者が全くいない状況でいったいどこの誰に、松岡とのこうした【脱税】という犯罪行為まで含めた複雑な事情を話し、出来る限り穏便に財産分与を相談出来たのであろうか。
考えられるまず1つのケースは、もし相談相手が悪ければ、私に財産分与を渡すどころか、松岡とその相談相手が会い、松岡から話を聞いた時点で、私の用意した相談相手であるにも拘らず、私は金を持っていないが、松岡は大金を持っているという事が本当だと分かるや否や、とっとと鞍替えして私を裏切り、金を持っている松岡の方に掌返しをして松岡の味方についてしまい、相談相手が当初とは逆に松岡に対して、【私に財産分与を諦めさせる代わりに金を寄越せ。】と言って相談相手が単に松岡から金を請求するだけの話になってしまうケース。
だが、相談した相手が更に悪かった場合は、その相談相手が、【脱税の事を警察や税務署に黙っている代わりに巨額な金を寄越せ。】などと言って相談相手自体が松岡を脅し、ただ単に松岡が延々と金をせびり続けられるだけで、私の方も勿論、財産分与を全く得られずに、結局その悪い相談相手だけが得して終わるケースだ。これは事実として【巨額な脱税】というれっきとした犯罪行為であるが故に、私はこの様な事を想定し危惧するが故、また実際にそこまでの件を相談する信用に足る人物が私の前に現れなかった事もあり、この事を警察や税務署に言い付ける事は言うまでもなく、誰にも相談すら出来なかったのだ。それは勿論、こんな国家権力による大規模な包囲網を敷かれるという大変な事が起きて、私の周囲の者達全員から【松岡と離れろ】と皆完全に常軌を逸し、尋常でない程に怒り狂った中で、松岡との約束を最後まで守り抜き、セクシータレント業界では全くのど素人の松岡から離れずに、二人で立ち上げたセクシータレント事務所をそこまで年間に億もの利益が上がるまで軌道に乗せた事もあり、私がやってあげたという感はかなり強かったのだ。そしてそこまでに仕立て上げたというだけで無く、松岡とそれまで一緒に生活して、この世で味方はお互いにたった1人だけだと信じ苦労を共にしてきた私を、あろう事か裏切るなどとはとても思えなかったのだ。
ところが、私が松岡の為を思ってしてあげた行為を松岡は何の恩義も感じて無いどころか、事務所を立上げる前に私と松岡との間で約束していた、【 事務所の利益の半分を松岡が預かって置くだけで必ず私にその金を渡す】という約束を守るつもりなど更々無く、それどころか【私には何も仕事を手伝ってもらっていないのに金を脅し取ろうとしている。】と周りに吹聴しているのだ。
だが、その松岡の嘘の作り話を信用し惑わされる人達が余りにも多く、また一般的に、法律を全く分かっていない人が余りにも多過ぎる事が分かったので、それで敢えて、私がどんなに松岡の会社立上げを手伝ったのか等は一切関係無く、内縁の期間に増加した財産についても、財産分与の請求を行なうことができます。夫婦の話し合いで財産分与の割合を決めることができますが、基本としては双方で半分ずつ(「2分の1ルール」といいます)とここで詳しく述べざるを得無かったという訳である。
ところで元公安調査庁の諜報員でありCIAのエージェントであったK氏は、私の問題解決の為に内閣情報調査室【内調】や宮内庁の者達との最終段階の詰めの協議をしていた時期に突然、脳梗塞心筋梗塞で倒れて意識不明になり病院に入院していた時期に、K氏の知らぬところで勝手に離婚をされていた挙げ句、帰る家も無くなり入院していた病院で住民票登録され、更に私の問題解決にあたっていた頃に使っていた携帯電話も手帳もアドレス帳も全て無くなってしまっていたというのだ。
そんな状態であった為、K氏からの助言を受けつつ、私が再度全ての問題を一からやり直し、自分で片付ける破目になったのだ。これでは元公安調査庁の諜報員であり、CIAのエージェントであったK氏が直接、問題解決を手掛けていた頃とはまるっきり真逆の、完全に振り出し状態に逆戻りしてしまい、全てが無になった様で非常に悔しく残念な事であった。だが、元公安調査庁の職員でありCIAのエージェントであったK氏は脳梗塞だか心筋梗塞になり、九死に一生を得て、長い意識不明状態から戻った時既に、半身麻痺という絶望的な状況になってしまっていたので仕方が無い。
だがそのK氏が直接手掛けていた貴重な資料や手帳など全てが無くなってしまっても、内閣情報調査室【内調】であろうが宮内庁であろうが、私の頭の中の知識まで奪う事は出来ない。そして状況というものはある日突然変わる事もある。こんな風に全てが最悪な状況になってしまう事も有れば、全くその逆で突然好転する事だって有り得るのだ。常に悪が勝つとは限らない。それに何も日本という狭い国土に拘る事は全く無いのだ。今はせっかくこうしたグローバルな時代にいるのだから、グローバル時代だからこそ出来る事を大いに活用するべきである。世界にはこうした汚い事を許せない人達だって大勢いるかも知れない、と私は思う。であるからこそ、こんな事で一々挫けては居られない。力強い味方が世界中のどこかから必ず出て来てくれるはずだ、と私は確信している。それにはまず、味方が現れた時の為にも、私のこうした複雑極まりない事情をよく理解してもらえる様に文書立ててしっかりと説明をする準備をしなければならない。新しく味方となってくれる人は、明日、明後日にだって現れるかも知れない。何しろ元公安調査庁の職員であり、CIAの敏腕エージェントさえも犠牲になっているのだ。ここで私が落ち込んでる訳にはいけない。と、気を取り直してまた小さな事から一つずつ片付けていく事にしたのだ。
さて、本題に入るが、私は松岡と同居していた当時、一応タレントという立場だった以上、AV関係のプロダクションの役員ではまずいという事で、松岡が書類上1人で経営している事にしていたのだ。
それで 【 実際には共同で事務所を経営し、一緒にいた時に既に1億以上の純利益が有り、その後間違い無く数億円は稼いでいるのだから、 少なくとも一緒に住んでいた時に会社登記をしてから稼いだ1億数千万の半分は貰うべきでしょう。だから本来なら5千万円くらいは貰うべきだよね。】
と元公安調査庁の諜報員でありCIAのエージェントであったK氏から言われたのだ。それでK氏は私に、松岡がどんな感じの人間でまたどんな対応をしてきたのかを知る為と、今後の松岡への対策を練る為にもK氏の目の前で松岡に電話する様に言われたのだ。
そしてK氏から言われた様に、私が松岡に電話をすると松岡は、
『 俺さあ、本当に大変だったんだよ。 実はお金は殆ど全部FXに注ぎ込んでしまって大損をして無くしてしまったし、他のスカウト会社のナンバー2の男の子がうちの事務所に移りたいと言ったので入れてあげたんだよ。
そうしたら、その男の子が元いたスカウト会社の人間から、俺が命を狙われる嵌めになって駐車場で後ろからバットで頭を殴られて殺されかけんだ。それでそのままじゃ危ないから、会社も畳んで逃げたんだよ。
だから今は東京に居ないし、居場所も教えられないんだ。
俺、可哀想だと思わない?』
と馬鹿みたいな事を言い、呆れた事に私から同情まで買おうとまでしたのだ。
【 全く、何をガキみたいな馬鹿な事を言ってるんだろう。それなら警察に相談するなり大金を持ってるんだからしばらくボディーガードでも付けて堂々としてればいい話じゃないか。第一、何億円もの大金がそうそう無くなる訳が無いし、私がどれだけの大変な苦労と思いでそれだけ稼げるまでにしてあげたと思っているのだろうか?それを【 パチンコ屋で金をすっちゃった 】みたいな軽い言い方をするとは浅はかにも程がある。】
だがそんな事を言われたところで事務所の利益を全て自分の物にしてしまった松岡に私が同情するはずも無いのだが、松岡はそんな泣き言を言って誤魔化そうとし、結局お金は全部無くなってしまい、事務所を作ったのは全て松岡自身であり、私から一切協力などして貰って無い、とにかく一円たりとも払わないと言う趣旨の事を私に言ったのだ。
私は、
【 いつも松岡は、事務所が稼いだお金は全て二人の共有財産だと言っていたくせに、何億円も全て一人でまんまとせしめて横取りするなどいくら何でも酷過ぎるだろう。
まさかこんなに金に汚い奴だったとは。】
と唖然としたのだ。

それでK氏に言われた通りに松岡に【 内容証明 】を送り、それを元にK氏の前で松岡に電話をして再度話をしたのだが、全く埒が明かない為、K氏が、
『 脱税はまあずっとしてただろうけど、一緒に住んでいてはっきりと分かっている間の事は既に脱税の時効になっているし、脱税で捕まって税務署にお金を取られてしまっては益々お金を払わせるのが難しくなるし、松岡はクスリをやってた事が有るんだから、まだやってるかも知れないから君がその事についての暴露本を出版するという事にして、松岡との間に有った事を本当に小説を出版するくらいにキチンと書きなさいよ。
そうしたら向こうも絶対に焦って話し合いに応じるだろうから。』
と、言ったのだ。
私は【K氏が直接この問題の処理に当たっていればこんな事簡単に片付けたろうに。】と悔しく残念に思った。
だが私は『 いくら何でも松岡だって子供じゃあるまいし、今だにクスリをやってるとは思えないしそんな事書いても焦るとは思えないし面倒なだけだ。』
と、ずっと言い続けたのだが、K氏は
『私を信用するならまずそれを書きなさいよ。私はそれが一番良いと思ってるからそう言ってるんだから。
それにいい年をした大人だってクスリをやってる奴何かいくらでもいるよ。
有名な芸能人だってよく捕まるじゃない。
だからそれでダメだった時にまた別の手を考えるしかないでしょう。
僕のアドバイスを聞くつもりならとにかくまずはそれをやって。』
と決定事項の様に言われてしまったのだ。
といった訳で、とにかくそれを書き上げてから、また次にやるべき事を教えてくれると言われてしまったので大変だがやるしか無かったのだ。
書き終えた時にそこからまた次の展開が見えてくる事だろう。

私は更に、松岡と一緒にいた間ずっと、大規模な嫌がらせの包囲網から逃げたかったのだが松岡から【 事務所を軌道に乗せる前に俺から離れれば自殺する 】とまで泣きながら言われ【お金は全部私の為に貯めておくから】と約束していたにも拘らず、億もの金を全て奪われた挙げ句、2度も殺されかけた事を思いだし松岡に非常に腹が立っていた。
だが、いくら松岡に作ってあげたお金を全て奪われたといって、自分が必死で作り上げた物を壊す事など出来る訳が無い。だいいちそれではまさに内部分裂による潰し合いになって、嫌がらせをしている者達の思うツボになって私達に嫌がらせをしている者達を喜ばせるだけだからだ。
それに私は決して私を心から信じて付いてきてくれた人を裏切る事だけは絶対に出来ない。
何故なら私は国家権力による大掛かりな包囲網を敷かれた事によって、その強大な権力により私の周りの全ての者達から裏切られたのだ。
それは、例えどんなに何年も仲良くしていようがそんな事は全く何の関係も無くなってしまう程のものなのだ。
それまで
【もし私が困った時には世界中で自分だけは味方だから絶対に忘れないで。】
と言っていた男友達などいったい何人いた事であろうか。
全く、それら全てが馬鹿らしく感じられる。
だが私は彼らとは違うのだ。
私は私を本当に信じて付いてきてくれる人を決して裏切ったりはしないと神に誓ったのだ。

但し、私を裏切るどころか私を陥れたり、また本気で殺そうとしたならば話は別である。

第一部で書いた、私が全面的に力を注いでようやく軌道に乗せる事が出来たAV女優等のセクシータレント事務所が、私が松岡といた有限会社にしてからの2年の間に純利益だけで少なくとも1億円は有り、それからずっと長い間ついこの間まで事務所を営んでいた松岡の事務所には、その後もAV業界での有名な女優が勿論何人もいたのだが、その他にも何と、NHKテレビでも特集され、日本では知名度ナンバー1タレントの明石家さんま氏の【 さんまのまんま 】という有名なテレビ番組にもゲスト出演し、その他にもフジテレビの【FNS27時間テレビ 】の特別番組の中で、明石家さんま氏がSMAP中居正広氏と共に生放送の番組中で【穂花】のファンである事を自ら公言し、その番組の生放送のオンエア中に【 穂花 】に生電話した程にまで有名な、【 穂花 】という伝説のAVクイーンまで所属していたのだ。

私がこれ程迄に、激しい嵐の如く大規模な国家規模の嫌がらせの包囲網の中で、松岡の事務所の立ち上げを強行した理由は、この国家規模の嫌がらせの包囲網と戦う為にも2人両方が潰されてしまわない様に対抗する為に、まずは事務所を軌道に乗せてお金を作らなければならないと思ったからだ。
お金が無ければそれに付け込まれ、弱らされて簡単に潰されてしまうからだ。
それにその事務所の利益は勿論二人の共同財産であり、もし二人が離れ離れになった時に結果、私が騙された時には直ぐに松岡の所に戻って松岡が預かっていた二人の共同財産さえ有れば、そんな国家規模の包囲網が敷かれた中でも少しは安心出来るし、松岡は絶対に私を裏切らないと私に誓っていたからである。
またそれを、私達二人が離れ離れになった時に私が騙された時の保険と考え松岡に同調したからというだけで無く、私は自分を信じて付いてきてくれる人を決して裏切る事が出来ないからだと先程述べた。

松岡と共に事務所を立ち上げて軌道に乗せるまでの間、私達はお互いに、私の方は【まず松岡と離れなければ相談にも乗れ無いし協力も出来ない。】と毎回誰かに相談する度に、どの人にも同じ事を言われ続け又、事務所経営に災難が降り掛かってくる度に松岡も又、周囲の人達に【その女といるから災難が降り掛かってくるんだよ。その女とは離れろ。 】と、同じ事を言われ続けていたのだ。

実質共同経営で全面的に私が力を入れて事務所を作ったという事や、またAV業界という話上もあり、更には脱税の件もある為、話はそう単純では無く、なかなか簡単には話す事が出来なかったのだ。
それに、AV業界の仕事をしているというだけで私が出演している訳でも無いのに、私の事をよく知らない者達からはすぐに誤解をされて、皆ただ単に口説いて来ようとする者ばかりであるし、かと言ってよく知っている友人達は全員、松岡と離れたら相談に乗るの一点張りだったのだ。
それに『お金の件もあるからそう簡単に離れろと言われても困る。』
などと私が相談者に言って、松岡がいくら稼いでいるのかを話したら、脱税の事を知られてしまうばかりか、真面目に相談にも乗ってもらえないのではないかとも考えたのだ。

だが、私と松岡が一旦は離れなければならなかった最も重大な理由は、この前の章で述べた通り、私は三菱商事の友人からの、手厚いVIP待遇で招待を受けた、遠い異国の地である香港の九龍の一流ホテルの広東料理のレストランに於いて、
【皇太子妃である雅子妃と同じ外務省に勤務されていた亡くなられた元婚約者が雅子妃とのご婚約中に、ご結婚を目前にして変死【暗殺?】されてしまったのだ 。】
と、雅子妃の親しい友人であり、且つ雅子妃の亡くなられた元婚約者の大親友であり省庁に出向していた時には大臣の答弁の原稿まで書いて居られた三菱系銀行勤務の男性や、またその三菱系銀行勤務の亡くなられた雅子妃の婚約者の大親友の親しい友人であり且つ、私の親しい友人である青島氏の三菱商事での大先輩である井脇氏までもが、皇太子妃である雅子妃から直接送られた元婚約者への深い愛が認められた手紙を実際に読まれ、その手紙が間違い無く確かに、皇太子妃の雅子妃から三菱系銀行に勤務する友人に送られた手紙でありその内容は、雅子妃とのご婚約中に亡くなられた元婚約者への深い愛が認められていたのだと井脇氏が深い悲しみと共に、

『 僕はその雅子さんからの手紙を実際に読ませて頂いた訳だから、雅子さんがご自身の元婚約者をどれ程愛されておられたかの証人ですよ。
だってお二人の幸せな結婚を目前にして突然に亡くなられたんですよ。
恐らくはどうしても皇太子と結婚をさせたい者達からの差し金による暗殺でしょう。
余りにも気の毒過ぎるでしょう、いくら何でも。
それに彼【三菱系銀行勤務の親友】から、交際時代からずっと話を聞いてて良く知ってたんですけど、その雅子さんの元婚約者は本当に素晴らしい人だったんですよ。』

と強く言い放ったのだ。

【 自分がその証人だ。】と言う、その井脇氏の余りにも強い口調により、私は驚愕させられてしまい、私達3人が重い空気の中で悲嘆にくれていたちょうどその時に、いったいどのような偶然が重なったのであろうか、それは正しくユングが言う所の、シンクロニシティ或いは奇跡が起きたのであり、シンクロニシティとは『何か複数の事象による意味のある偶然の一致』を指す言葉である。

それは、香港の九龍にある一流ホテルの広東料理のレストランで、皇太子妃である雅子妃がご婚約していた外務省に勤務され、結婚を目前にして不慮の死【暗殺?】を遂げ亡くなられた元婚約者の大親友である三菱系の銀行勤務の男性と、その親しい友人であり雅子妃からその三菱系の銀行勤務の男性に送られた手紙まで読まれた三菱商事の井脇氏と私との3人で、雅子妃の亡くなられた元婚約者と雅子妃との悲劇についてちょうど語り合っていたところに、雅子妃とのご婚約中に亡くなられたその元婚約者の弟さんは、これまた偶然にも井脇氏と同じ三菱商事に勤務されているのだが、その雅子妃の元婚約者の弟さんまでもが奇遇にも、その時に私達がいる遠い外国の香港の九龍にある同じ一流ホテル内の広東料理のレストランに入って来てお互いに挨拶を交わしたのだ。私達が、こんな香港などという外国の地に於いて、結婚を目前にして不慮の死を遂げて【暗殺?】亡くなられた皇太子妃の雅子妃の元婚約者の話をしているちょうどそのタイミングで、その元婚約者の弟さんがそんな外国の香港の一流ホテル内の私達がいるレストランにたまたま入って来て挨拶を交わすなど、正に神の御技か奇跡が起きたとしか言いようが無いではないか。

そのほんの一瞬の出来事によって、皇太子妃の雅子妃が皇太子妃になられる以前に雅子妃と同じ外務省に勤務されていた元婚約者が、お二人のご婚約中に結婚を目前にして突然の不慮の死【暗殺?】により亡くなられたという話は、当時者達が何故か遠い外国であるこの香港の九龍の一流ホテルの広東料理のレストランにそこまで一同に集結してしまった事により、衝撃的な燦然と輝く列記とした事実として、私は図らずも私自身もがその怖ろしい国家機密の生き証人となってしまっていた。

とは言え、そうした特別な立場の人で無い限り、例えそんな恐るべき国家機密を図らずも知ってしまったとしても、普通に考えて私などが恐れる必要はさほど無いであろう、と高を括っていたのだが、こうして自分自身が国家規模の包囲網を敷かれた後では、この出来事が、期せずして知ってしまったとは言え、第二次世界大戦以前は恐怖支配を行っていた大日本帝国であったという極めて怖ろしいこの国家による陰謀が、急激に私に、現実味を帯びて差し迫って来たのである。
それはさながらアルフレッド・ヒッチコック監督の代表作であるホラー映画『サイコ』の一番の見せ場であるシャワー室で、女性が刺される時に流れている、狂気じみた恐怖と戦慄を煽るBGMである、あの【キンキンキン】といった身の毛がよだつ効果音である「The Murder 」(マーダー)が頭の中に響いてくるようだ。もしくは電車の線路脇の踏切の警笛が、大きな音で頭の中に鳴り響いてくるような心持ちであったのだ。