♯5リボルバー?オートマチック?Part2

♯5リボルバー?オートマチック?Part2

そしてI氏の個人事務所に着くと、I氏から、『ちょっと来て。』と机の前に呼ばれ、『いいもの見せてあげるよ。』と言って、I氏が鍵の掛かった机の引き出しの鍵を開けるとそこには何と、銃が有ったのだ。『これさあ、本物なんだよ。実は銃とか大好きなんだよね。触ってごらん、重いから。だけどさあ、これを見た事は絶対に秘密だからね。言ったらどうなるか分かってるよね?』と、凄くクールに私の目をジッと見ながら言ったのだ。その目は恐ろしい程、本気だった。
私は【銃】とかまさかモデルガンでしょ?と、思いながらほんの一瞬手に持ったのだが直ぐにその重さに驚き、数センチも持ち上げる事無く、そのまま引き出しの中に置いたのだ。
【 日本では本物の銃とか持つのって明らかに法律違反なのに、まさかこんな有名人で、しかもしっかりとしてて用心深くて厳しい人が【 本物の銃マニア 】だったなんて、一体何を考えてるんだろう?言ったらどうなるか分かってるよねって言ってるけど、一体どうなるって事が言いたいのだろう?Iさんが大変な事になるって事?それともひょっとしてこの銃で私を撃つとか?】
いくらお付き合いしている相手とはいえ、本物の銃を持っている男性と2人きりで他に誰も居ない空間にいる事で、ぴんと空気が張り詰め、一瞬にして緊張が走った。私はそれまでというか、未だに【本物の銃】など、この時以外には見た事が無いが、こうしたシチュエーションに遭遇したのは初めてであり、この緊迫した空気に背筋が凍りついた。そしてまた、私にはI氏が何故【本物の銃】を私に見せたのかが意味が分からず戸惑ったのだ。

【仮にもし私が『本物の銃を持つ事は法律違反になるのではないでしょうか?そうした違法な物を見せられても困りますから帰ります。見損ないました。』などと言って、ムッとして部屋を出て帰ろうとしたら一体どうなるのだろうか?そのまま無事に帰れるのだろうか?それに一体どこから入手したのかしら?海外から持ち込める訳は無いし、もしかしてヤクザとか悪いお友達がいるって事? 】と一瞬にして色んな考えが頭を巡ったのだが、結局私に出来たのは『私がそんな事を誰か他の人に言う訳無いじゃないですか。』と表情を変えずに言ったのみだ。
私にはI氏が私を脅しているのか、それともひょっとして私を信頼しきっていて、つい自身のコレクションを自慢してしまったのかが分からなかったのである。

その事を元公安調査庁で、その後CIAのエージェントであるK氏に話すと、『その銃は、リボルバーだった?それともオートマチック?』と、いきなり質問が反射的に返ってきたのだ。
私は、リボルバーとかオートマチックか?などと聞かれても何の事なのか分からず、私が『何ですか、それ?』とK氏に尋ね返すとK氏は、『えー?そんな事も知らないの?あのねえ、リボルバーは、真ん中が丸くなっていて、弾薬を装着するところが付いててグルッと回転するヤツ。オートマチックは、それが付いてない方。』私が『えーっと 。』と言うとK氏は焦れったそうに、『だから、リボルバーは、真ん中が丸くなってる分厚味があって、オートマチックは、平たい方だよ。で、どっちだったの?』と早口で言ったのだ。
私はどちらがどうなどと考えた事も無かったので、一瞬どちらだったのか分かりらなかった。
ただ銃身が長めだった覚えがある。また銃は1丁では無く、2丁は有ったはずでだ。それらをコレクションと言っていたのだ。
リボルバーというと、よく映画等で見る刑事が持っているタイプのリボルバーは銃身が短いが、それとは違い銃身は少し長めだったのだ。I氏の事務所で手に取ってみた銃は、よく見る刑事が持つ銃身が短いリボルバーでは無く、銃身が少し長めで平たいオートマチックの方だと思う。
だが私は、K氏が私が銃の話をした途端に、『リボルバー?オートマチック?』などと、すかさず反射的に聞いてくるところに、【さすが本物のプロフェッショナルは違うなあ。】と、関心したのである。

I氏はまた私に『僕がグラビア系のプロダクションを作るからそれまで待ってて。』と付き合って間も無い頃よりずっと言っていたのだ。その為私はK氏が事務所を立ち上げるのを待ち続ける事になりいつも、『プロダクションはいつ立ち上がるんですか?』と言っていたのであるがその度に、『もう少ししたら落ち着くからそうしたら取り掛かるから待ってて。』と言われていたのだ。私はその頃、友人が所属しているプロダクションにも誘われていたし、その上、日本で一番大手のモデルクラブであるオスカープロモーションにも誘われていたのだが、『彼氏が有名カメラマンで彼が事務所を立ち上げるのを待ってるから。それか彼の知っている事務所に入る予定だから 。』と言ってずっと断っていたのだが、【その間何もしないで待つのはさすがに勿体無い。】と周囲から言われ、そして最大手モデルクラブであるオスカープロモーションの人達にも、『 その有名カメラマンも何を考えているんだろうね。一番大事な時なのにそんなに長い間待たせるなんて。とにかくそれまで見つからない程度に仕事してればいいじゃない。じゃないと勿体無いよ。』と、言われ、私も『確かに、I氏にバレ無い程度なら何の問題もないだろう。』と思い、度々単発のレースクイーンの仕事や、レギュラーで、MCの横に立っているだけのテレビのアシスタント等の仕事はしていたのだ。
そうして所属はせずに個人的にちょこちょこ仕事を貰いながら、I氏がプロダクションを立ち上げるのをずっと長い間待っていたのである。
私はその間、周りの人達からずっと、『 今が一番大事な時期なのにいつ出来るか分からない事務所を待つなんて何考えてるの?騙されてるんじゃ無いの?そんな人の事気にしないで今有るチャンスを逃しちゃ駄目だよ。餅は餅屋って言うし、いくらそのカメラマンが有名人でもカメラマンはしょせんカメラマンでしょう。』などと、いつも言われていたのだ。だがいつも私は、『私はそのカメラマンのI氏を本当にリスペクトしているし、彼を信頼してるので。』と言っていたのだ。
その頃、私は別ルートで知り合ったその最大手のモデルクラブであるオスカープロモーションの女の子とたまたま友人になり、その友人のモデル仲間ともよく一緒に遊んでいたのだ。
その時、私の友人の事はそうは思ってなかったのだが、その友人のモデル仲間は、皆一体どこにこんな綺麗でスタイルがいい人がいるのだろうと思われる程、美しい人達ばかりだったのだ。
その友人のモデル仲間達は、モデルの中でもかなり稼いでいる人達だっだので、皆何と、月収100万円以上も稼いでいたのだ。
勿論そうした人達ばかりでは無いだろうが、そんな人達が1000人近く所属していると思うと、そこから抜きん出るのはライバルが多過ぎて大変そうだなあと思ったのだ。
もっとも私が誘われていたのはモデル部では無く芸能部なのでそっちは人数が少ない様ではあったのだが。

だがモデル部の女の子達は『 芸能部に移ろうかとも思ったけど、モデルの仕事と違って芸能部の方から来る仕事はギャラが安過ぎて無理。いくら何でも差が有り過ぎるよね。テレビのアシスタントとか水着のグラビアとかってギャラが安過ぎるよね。そんなギャラじゃとても生活出来無いし、第一、モデルとしての価値も下がるし、モデルの仕事の現場でも皆に笑われちゃうし。』と、ここで皆『確かに、マジウケる。』と言って爆笑したのだ。
そして、『それに、大きなショーじゃ無くても小さな会場とかショップで行うフロアショーとか、大きなショーの前のプレとかリハーサルモデルの仕事ならいくらでも有るし、そんな仕事でさえギャラだって1本○万円とか当たり前に貰えるんだよ。』と言うのだ。私はその様な仕事でさえそんな高額なギャラを貰っている事に驚き、『えー、そんなに貰ってるんだ。凄い。水着タレント業界とは大違いなんてもんじゃ無いね。』と、私が言うと、『そうでしょう?ウチの事務所は、芸能部とモデル部ではっきり分かれちゃっているから、収入の事を考えると芸能部に移るとかそんな冒険は出来無いのよ。仮に芸能部に移ったりしたら、もうモデル部のマネージャーから『まあ、そっちでせいぜい頑張って。』何て言われてしまい、もうモデルの仕事を回してくれなくなっちゃうしね。こんな風にはっきり分かれて無ければ良いんだけどね。』と、言っていたのだ。
私は、『確かに、月収100万円くらいもの大金をモデルの仕事で楽勝で稼いでいるならそりゃそうでしょうね。皆本当に凄い人達なんだなあ。まあそれ程の収入があれば、わざわざ芸能部なんかにさすがに移って来ないだろうなあ。』と思ったのだ。
そのモデルの友人やそのモデル仲間は、『もういい加減そのカメラマンが事務所を立ち上げるのを待つのは辞めた方が良いんじゃない?2年近くとか、余りにも長過ぎるよね。その間、事務所に所属出来無いんだから、ちゃんとした仕事も出来無い訳じゃない。いくら何でもおかしいんじゃない、そのカメラマン?それにそのカメラマンって日本で7番目くらいに売れてる人なんでしょう?それも何か微妙じゃない?そうだ、私が1,2番目に売れてるカメラマンを誰かに紹介して貰って連れて来てあげるよ。私そういうの得意なんだ。』などと言うのだ。すると『 そうだよ、絶対にその方が良いよ。いくら何でも時間掛かり過ぎてるし待ってる意味が分からないし、時間が勿体無い。もう待つ必要無いよ。待たないのが当たり前だって。』と、皆、口々に言うのだった。
私は、【皆こんなに高給取りの美しい人達ばかりなのに、なんて思いやりのあるいい人達なんだろう。私の事をこんなに心配してくれるなんて。高給取りの余裕からかな?】と、皆の気持ちを本当に有難くは思ったのだが、『そうかも知れないけど、1,2番目のカメラマンとか大御所だけど気難しそうな年配の人とかだし見た感じからして私とは気が合わなそうだし、有り難いけどいいよ。』と言って断ったのだ。
だが実際、I氏がカメラマンとしては日本で7番目くらいとは言っても、その上はかなりの年配の大御所が多いのだから仕方が無いのだ。

それにしても、全くモデルとして月収100万円以上稼いでいる人達は、一体なんてポジティブで行動力が有るのだろうか。そしていとも簡単に『1,2番目に売れてる人紹介して貰って来てあげるよ。』などと自信満々に言うのだから。それにそのモデル仲間達も、『当然じゃない。そんなの普通だよ。』と、皆笑いながら言うのだ。さすが稼いでるモデルは自信にみなぎってるし、エネルギッシュでカッコいいなあ、とつくづく関心したのだ。

だが私もさすがに不安になり、I氏だってあるグラビア系の出版社の専務が言っていた様に、日本で7番目くらいに活躍してる超売れっ子カメラマンなのだし、『 僕が事務所を立ち上げるから待ってて。』と、私に言ってこれだけ長い期間待たせてる以上、ちゃんとやってくれるのだろうと信じていたし、そうで無ければこんなに長い間待たせておいて私を騙したのならただの飼い殺しでは無いか。それだったら早くどこかの事務所を紹介すればいいのに。というよりも、私だって本当に色んな人達が私の事を心配して事務所に誘ってくれているのにずっと断り続けているのもいい加減疲れたのだ。
しかも全く何処からも誘われていないのならまだしも日本で一番大手のモデルクラブにさえ誘われているのに断っている状態なのだ。でもその時は、『 やはり出来れば大好きで世界一リスペクトするI氏と一緒に仕事をしたい。一緒に南の島に行けたならどんなに楽しいだろうか。それにI氏を裏切ったらきっと後で後悔する。』と思ったのだ。

そうしてズルズルと一年半から2年くらい経ってしまったのだが、そんな時にずっと誘ってくれていた最大手モデルクラブであるオスカープロモーションの人が『地方のテレビ局で女の子を集めた新番組をやるんだけど、そのMCをやる子を探していてついでに3人組のアイドルとしてデビューさせるから、その真ん中のメインの子を探す様に言われてたんだけど、結局他にどうしても見つからなくて、その3人組のアイドルを作る芸能事務所も番組制作費を出すんだけど、君の話したらぜひお願いしたいって言われて。』と言われたのだ。私はその事務所の人達やスポンサーからも以前事務所に誘われていて断った事があり、そのスポンサーが都心の一等地の大地主で大金持ちだがとても感じが良い方だと知っていたのだ。
私は、『みんないい人達だしローカル局だけど面白そうな番組のMCだし、もう一人のメイン司会者は有名人だしかなり良い話ではないか。未だに全くI氏の事務所が立ち上がる気配も無い以上、これではさすがにもうI氏の話はいい加減諦めてこの話を引き受けよう。』と思ったのだ。
そしてこの話を正式に受け、番組スタッフ達と打ち合わせをしていたのだが、私はこの誘いが来る数日前に、友人が入った大手芸能プロダクションであるバーニングプロダクションの系列の有名芸能プロダクションの人が食事をご馳走してくれるというのでそこに行っていたのだ。
その頃、雑誌とテレビ局とレコード会社でタイアップしたアイドルグループを作る事を大掛かりにテレビ番組等で宣伝し募集していたを番組で見て知ってはいたのだが、【そのオーディションの書類審査は省くから2次審査に直接行く様に】、とそのプロダクションの梅津氏から言われ、私は『テレビの生放送の公開オーディションなんて絶対に行きませんよ。余りにも大勢受けるし絶対に落ちるのに恥をかきたくないから。』と梅津氏に断ると、『バカな事言わないでよ、 とにかくそれだけは絶対に受けに行ってよ。自分の顔を潰さないでよ、もう返事しちゃったんだから。』と凄く怒って言われたので、【ご馳走にもなってしまった事だし1000人くらい受けるんだし、2次審査は非公開だしどうせ落ちるからいいかな。】くらいな軽い気持ちで、渋々気が進まないながらもその2次審査を受けに行っていたのだ。それは、【 もしI氏がいくら待っても事務所を作ってくれなかったらここを少し見て良さそうなら入ろうかな。】とも考えていた為だ。

だがその新しい番組の顔合わせや打ち合わせをしていた時に、ちょうどそのプロダクションの梅津氏からやたらと何度も電話が掛かってきていたのだ。それで驚いて何事かと梅津氏に電話を掛け直すと、梅津氏から『最終審査まで残ったから必ず来る様にね。』と言われたのだ。これは全くの想定外であった。
私は、そんな1000人もの女の子が受けるオーディションなど受かるはずも無いと思い、そのまま放置しようと思っていたのだ。

だがこうしてせっかくローカル番組のMCで3人組のアイドルグループという、良い話が来た以上、そちらを取るに決まっている。
ましてやそんな受かるはずも無いテレビの生放送の公開オーディションなんて行く訳が無い。だいいち恥をかきに行くだけでは無いか。

それで私は困って梅津氏に電話で断ったのだが、『連絡が着いて良かったよ。もう連絡が着かないから行方不明になったと思ってみんなから君に連絡してもらってたんだから。最終審査に行かないなんていったい何を言ってるんだよ。そんな事は絶対に許さないよ。とにかく絶対に行ってもらうよ。 』と、余りにも凄い剣幕で延々と怒っていたので、『 後で掛け直します。』と言って取り敢えず電話を切ると、そこの事務所に入った友人からも電話が掛かって来て、『 何かあなたが最終審査に行かないとか言って逃げ回っていると梅津さんから困って電話掛かってきたけど、何やってるの?あなたが行方不明になってとんでもない事態になっている。とにかく連絡が着いたらすぐに連絡してって言われたんだけど、いったい何事なの。あなた行方不明とか言われてるし大騒ぎになっているらしいよ。』と言われ、『何それ?どういう事?』と思い、私は急に恐ろしくなったのだ。
私は、【 決まった仕事を断るのは絶対に不味いけど、たかだかそんな大きな絶対に落ちるに決まってるオーディションの一つくらい、断って行かなければいいだけ。】だと、軽く考えていたのに最終審査に行かない程度の事で【行方不明】だの【とんでもない事態になっている】だのと、余りにも大袈裟な事になってしまっていたので、私の知らないところでそんな事態になってしまった事で急激に怖くなり、『どうしましょうか?先方が納得してくれなくて、私が行方不明とか大騒ぎしてるんですけど。』と、新番組のMCで3人組のアイドルのメインに入れてくれた大手モデルクラブのマネージャーに尋ねると、『そこの事務所は力があるから、君がオーディションに行かずにこっちのMCをやっている事を知れば仕返しにこちらを潰してくるかも知れないから、しょうが無いからオーディションだけ行って落ちれば向こうも諦めるだろうから行って落ちて来てよ。心配だけど。絶対受からないでね。』と言われたので、『じゃ面倒ですけど、落ちに行って来ますね。』と言って、私は渋々テレビ番組の生放送の公開最終オーディションに出かけたのだ。

最終審査には100人くらい来ていたのだが、結局2位で選ばれてしまったのだ。【 ちなみに1位の子は、元々この番組のレギュラーとして出演していた大手芸能プロダクションのスターダストプロモーションのA子であり、A子とはその後も長く友達付き合いをしていたのだ。】
その結果、せっかく頂いたローカル局ののMCと3人組のアイドルグループのメインの話を断らなければならない羽目になったのだ。
だが、その時選ばれたグループで半年程活動したのだが、結局、何故か企画自体が潰れてしまったのだ。
それを不審に思った知り合いの広告代理店の男友達が番組プロデューサーに聞きに行って探ってくれたのだが、何か大きな力によって潰されたと言われたというのだ。だが詳しい事は教えて貰えなかったのだという。

その頃からまた半年ぶりくらいにI氏と会っていたのだが、ある日I氏は、『会わせたい人がいる。とにかくもの凄い今勢いがあってグラビアでは一番力を持っているから。』と言ってI氏から紹介されたのが、松岡が一時期働いていた、飯島愛がいたAV女優のプロダクションのオフィスLの社長の河合氏だったのだ。河合氏は『 これからは水着アイドルの分野でもトップを取ろうと思ってるから一緒にやっていきましょう。』などと言って下さったのだが、私は【これではI氏が事務所を作るのでは無く、ただの紹介か。】と、がっかりし、その頃他にも別のあまり売れてないアイドルグループの一人を辞めさせるからその後釜に入ってくれとか色んな話も来ていたので、もうI氏が事務所を立ち上げるという話に区切りがつき、もうその事は諦めようと思ったのだ。
またその同時期に、その頃毎日の様に一緒に夜飲みに行っていたスタイリストの男友達といた時にたまたま芸能プロダクションで最も権威のあるプロダクションである田辺エージェンシーにスカウトされていたのだ。だがそのほんの少し前に、そのスタイリストの男友達が所属する、売れてる人がかなり出て来て勢いのあったFに移りたいとそのスタイリストから専務を紹介してもらい、頼んでいたのだ。すると、『それまでいた事務所を、キチンと辞めてきたら事務所に入れてあげる。』と言われ、既に専務に許可を得ていたのであとは社長と会長に挨拶に行く事になっていた段階であったのだ。
それで結局困っている内に両事務所の社長が会って話し合いをし、男友達に紹介された事務所であるFのが先に約束してたからという事で、Fの会長が田辺エージェンシーの社長に【私をきちんとした形でとデビューをさせる。】事を約束をし、私とは【ちゃんとしたテレビ番組のMCとしてデビューさせる。】という約束の元、所属する事になったのである。