超ウルトラスーパーAVアイドルプロダクション AV業界の頂点に立った男の真実の物語 5

そんな私がある日突然松岡の部屋に転がり込み、勿論少しはこんな生活も楽しんではいたのだが、幾らなんでももういい加減こんな生活を続けるわけには行かないし、のんびりとこんなところで、そんな私の切迫した気持ちも、業界の事も何も知らない松岡と、のんきに恋愛ごっこなどをしていられる場合ではないのだ。それでは、それまでの自分の生き方を全否定する事と同じである。

今の私の状況や気持ちを、少しでも理解してもらえる様な人物と一緒に居たかったし、それにはその時の松岡ではあまりにも程遠かったのだ。とにかくここまでやってきたからには、一度はきちんとした形でデビューしなければと、自分自身に固く誓っていたのだ。このままだらだらと流されてはいけないのだ。

情も湧いて来たし残念ではあるが、松岡とはもう別れるより他にないだろう。自分にとっての真の理解者に会って、早くその気持ちを分って欲しかったし、そんな状況を何も理解出来ないであろう人物と一緒に居る事が、苦痛で堪らなくなったのだ。状況は非常に切迫し、私の精神状態も既に限界に近かった。一刻も早くそれまで仲良くしていた人達の元に戻りたかった。格好悪くバツも悪いが、すぐにそう出来たら。そこが私の本来の居場所なのだ。

本当は直ぐにでもそうしたいが、でももし松岡が、マスコミ等に転職するのであれば、それに対して私も全面的に協力し、もう少しこのまま別れずにしばらく様子を見る事にしよう、と思った。

そこで私は松岡に、業界の人達がどれほど派手な夜遊びライフを送っているのかを、大袈裟に、さも楽しげに話して聞かせた。すると松岡は、呆気に取られる程こちらの話に食い付き、そしてもうマスコミ業界に転職する以外は考えられない位に乗り気になり、マスコミへの転職を、真剣に考える様になったのである。

松岡は、元来変わった事や面白そうな事に非常に興味があり、好奇心が強かった。知り合った当初、松岡は “レイヴバーティー等でしばらく楽しく過ごしたいから、インドのゴアで、一年位暮らそうかと真剣に思っている。” などと言って私を驚き呆れさせた事が在る程だ。

私は松岡が、これ程までに転職に乗り気になった事が何だかちょっと嬉しかった。松岡には私の状況や心情が理解出来る筈も無いのだが、それだけに何も気負う事無く接することが出来る、気楽な友達の様でもあったのだ。もし松岡がマスコミ業界に転職すれば、一緒に業界人だらけの店にだって、躊躇する事なく大手を振って遊びに行けるだろし、業界の事も分かり合えるかも知れない等と、単純に思ったからである。


そしてそれから松岡は、せっせとマスコミ業界への転職活動を始めたのだった。

だが、しかし、そう上手くは行かなかった。松岡は、マスコミの会社を受けても受けても皆落ちてしまったのだ。これには二人とも落胆した。

しかし、まぁ、コネもないのだし、マスコミ業界への転職は、なかなか難しいのかも知れない。

だが、芸能プロダクションなら沢山あるし、入り込めなくはないだろうと思った。

が、俳優や演歌歌手等のマネージャーや付き人になって、一年中全国を舞台やコンサート等で飛び回る事になってしまっては、なかなか会えなくなってしまうし、薄給で休みもほとんど取れなくなってしまうかも知れない。ましてや大物芸能人などに厳しく使い走りにされ、苛められるかも知れない。

私は大物芸能人が普段どれだけ付き人やマネージャーにえばり散らしているのかをよく分かっていたので、松岡もそうなっては大変だというより、おそらく間違いなくそうなるだろう。

そうなれば、私達が思い描いていた、華やかな業界人ライフどころではなくなってしまうのだ。せっかくこんなにも鼻息荒く意気込んだというのに、振り上げた拳のやり場に困ると云うものだ。そこまでその気にさせて置いて、≪ やっぱり無理みたいだね。悪いけど別れよう。≫ とは、なんだかどうも言い辛くなってしまったのだ。

私は松岡に調子のいい事を言ってすっかりその気にさせてしまい、転職させる事になった事に急に責任を感じ、真剣になって考えた。

そしてもし芸能プロダクションに転職するのであれば、その様な大物芸能人に付くよりも、やはりグラビアアイドルに付く方が女の子だし若いので御しやすいだろうし、全国へ長い期間の興行などもほぼ無いだろう、と考えた。グラビアアイドルなら、せいぜいが南の島へグラビアロケに行くぐらいなものだ。

だとすると目立っているグラビア系の事務所といえば、巨乳のグラビアアイドルで有名なプロダクションIか、AV女優からタレントとして売れた飯島●のいるAVプロダクションLだろう、と思った。

そういえば以前私が付き合っていた売れっ子カメラマンにLを紹介された事があり、そこの社長の川井は、若いのにかなりのやり手でフェラーリを乗り回し、まさに成り上がり者といった感じであったし、滅多にに人を褒めないそのカメラマンが、 ≪ 彼はすごい儲かっているし、今やAV業界ではナンバー1だし、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだよ。飯島●のバーターで水着アイドルだっていくらでも売り込めるから。≫ などと褒めまくり、川井社長を紹介されたのだった。またそれだけではなく他の人からも方々から川井社長の噂を聞いていたのだ。


だが普通大抵の人は、AV業界に入る事は躊躇するであろうから応募して来る人も多くは無さそうであるし、そんなに儲けているのなら給料だって多く出してくれるかも知れないし、もう松岡に考えられる転職先はLしかないと思った。