超ウルトラスーパーAVアイドルプロダクション AV業界の頂点に立った男の真実の物語 21

日々、そうした業界の特殊な秘密にも触れ、松岡が仕事に行っている間に、私も、松岡が、媒体の営業先で貰ってくる沢山の山積みとなっているAVの専門誌等を、隅々まで読み漁り、松岡がこれからスカウトする際に、女の子を、この業界に誘う一番いい方法はないかを、考えた。
結局、独立した時に一番大事な事は、それである。
当たり前だが、所属する女の子がいなければ、何も始まらないのだから。

また、私はそれまでAVを、ほとんど見たことが無かったのだが、超高級なものから下品なものまであり、また軽いイメージビデオの様なものからハードなものがある事が分かった。
まず驚いたのは、撮り方の違いだけでも、全然違ったものになる、ということだ。
安いビデオカメラで撮ったものと、一千万円以上もする、高級なカメラで撮ったものとでは、そのクオリティが、全くの別物といっていい程変わってくる。
安いカメラで撮ったものは、肌のキメの粗さや、吹き出物等の肌荒れも気になり、妙にリアリティがあり、グロく見え、同姓からすると、見ているのが苦痛になり、はっきり言って、見るに耐えない。
それに比べ、一千万円以上もする超高級カメラで撮ると、それはCMや、映画や、アーティストのミュージックビデオを撮るのにも使われているものであるから、やはり、肌のアラ等は勿論全く無く、肌が滑らかに見え、まるで絵のような質感だ。
なんて美しいのだろうか。
このあまりの違いぶりには、驚かざるを得ない。
天と地の違いといってよい。
勿論、お金の掛かっている作品は、照明も極めて丁寧に造り込んでいる、という事もある。
具体的に説明すると、照明に白い布等を被せて柔らかい白い空間を造り、肌を白く飛ばして見せたり、レンズにフィルターをかけたり、ワセリンを塗って光って見せたり、光で飛ばす事で、肌にアラがなく、なめらかで、白く綺麗に見せる事が出来るのだ。
光で白く飛ばすと、なんて滑らかに白く綺麗な肌に撮れるのだろう。
こうして高いカメラで、光を飛ばして撮ったものは、肌の質感が無く、何故か、全く嫌らしく見えない。
それとは逆に、安いカメラで照明にも気を使わずに、撮ったものは、肌のアラが目立ち、汚らしく、それがグロさになり、女の立場から見て、嫌悪感を感じるのである。

この超高級カメラによる、肌の質感の違いは、私のそれまでのAVに対する漠然としたイメージや、考えを根底から、大きく変えた。
それまでは、漠然とした、後ろ暗いイメージだったのが、こんなにも美しい芸術作品へと変わったのである。
"なんだ、これなら、ちっとも恥ずかしがる程のものではないじゃない。
これだったらタレントのプロモーションビデオの延長線上の様なものだ。
いくら脱いでたって、どんな体勢をとっていたって、この肌の質感では、まるで変なリアリティがないし、言ってみれば絵のようなもので、安心して見ていられるのである。
グロかったり、見るに堪えないのは、SEXシーンの時の行為や体勢ではなく、単に安いカメラで粗雑に撮られているからであり、結局は、どれだけ丁寧に照明を作りこんだり、CMやアーティストのミュージックビデオを手掛けている様な制作会社に撮影を依頼をしたり、照明や超高級ビデオカメラの費用等にお金をかけて撮影しているかで、こんなにも印象が変わるものなのだ。

どういう事かと言えば、ここが一番肝心なポイントなのだが、簡単に言うと、AVを見た時に大抵の人が感じる、目を背けたくなる様な見るに耐えない、エグさやグロさ等の、最もマイナスとなる要素が完全に消滅し、美しく流れる絵の様な印象が残り、目を背ける事無く、安心して見続ける事が出来るという点が、非常に大きな違いになるという事だ。

AVアイドルの作品を扱っている一流のAVメーカーは、当たり前だが、まず、キチンとした全うな会社であるし、作品にとてつもない制作費を掛けているだけはあるし、強い誇りを持って仕事をしているのだという事が良く理解できる。
だてに一流のビデオメーカーはやってないし、やはり何にでも、一流と言われるものには一流と言われるだけの所以があり、全てそれなりの理由や訳があるものなのだ。それは勿論、ここAV業界においても全く同じである。
このクオリティによる差の明らかな違いぶりをはっきりと知る事が出来、また理解する事が出来れば、大抵の女の子なら、≪なあんだ。こんなものだったんだ。こんな感じだったら全然いいじゃない。≫って、思うのではないだろうか。
試しに安いカメラで撮った方を先に見て、そのあとすぐ高級なカメラで撮った方を見て比べれば、どんな人が見ても、その差は一目瞭然である。

AVに出演した事を、もし、もしも絶対に誰にも知られないのであれば、AV女優のギャラの高さを考えれば、このハイクオリティであれば、タレントの卵なら、やってみたいと思う人は大勢いるだろうな、と思う。
本気でメジャーの世界でタレントをやっていこうとしてる人は、あとで有名になった時に問題にならぬ様、水商売などでアルバイトをしたくても、その為に避けている人が多いのだ。
こんなプロモーションビデオの延長線上みたいなものならば、少なくともお金の為に、誰かの愛人になったりするよりはずっといいと、思う人は多いに違いない。
 
私は、松岡と住むまでよく一緒に遊んでいたタレント仲間達を、ざっと10人くらい思い浮かべてみた。
モデルの友人は、タレント業ではないので、ファッションショー等でかなり稼いでいたが、タレント達は水着グラビア等に出てても収入は少ないだろう。
だけど皆意識だけは、超一流で、非常にプロ意識の強いの人達だった。
勿論、皆、水商売等は有名になった時にイメージが悪くなる為、絶対にやらないと言っていたし、どんなにやせ我慢をしたって絶対にやらないだろう。
皆、一刻も早く売れたいので、夜は毎日と言っていい程、有名人や業界人の集まる店で人脈作りに勤しんでいたので、そんな細々とした仕事をやっている暇もない上、タレントとしてのプライドが許さないだろう。
水商売をやるくらいなら、マネージャーや知り合いにこっそりと頼んで、タレント好きで一回寝ると数十万くれる人を紹介してもらうだろう。 
本人達は決してそうした話をしなかったが、【そういうバイトがあるし、○○ちゃんもたまにバイトとしてやってるよ。】という話はマネージャーからこっそり聞いていた。
また皆、有名芸能人が大好きで、競い合って皆、名前を聞けばあっと驚く程の超有名芸能人と付き合っていた。
彼女達にとっては、それがステイタスだったのだろう。
この中で一般人と付き合っている等と言えば、皆に軽蔑され、もう仲間とは思ってもらえないだろうという程だった。
有名芸能人と付き合って、生活費等までどれくらい貰っているかは分からないが、少なくとも部屋等は、赤坂や三軒茶屋等良いロケーションに借りてもらったりしている様だ。
有名芸能人と知り合う事等、実は意外と簡単なのである。
マネージャーや、夜遊び好きのタレント仲間にタレントがよく集まる店に連れて行ってもらえば有名芸能人がよく遊びに来ているし、その店の人と友達になって、彼らが店に来たら連絡をもらってもよいのだ。
そして、彼らに○○事務所のタレントだと告げれば、有名なプロダクションに所属していると分かれば、安心して話してもらえるし、そこの店の人からその場で紹介してもらってもいい。
こうした店の店長等は、芸能界の女の子も好きだし、有名芸能人に恩を売るのも大好きなのだ。
そして、『こないだ俳優の○○とアイドルの〇子ちゃんが、交際宣言したでしょ。あれ実は、僕が繋いで愛のキューピットになったって訳。
〇子ちゃん家、うちの店の近くだし、 『お腹すいたぁ。なんか食べさせて。』なんて言ってよく仕事帰りに店に飛び込んでくるのね。
僕も『自分家のキッチンだと思ってね。何でも好きな物作るかさぁ。』 なんて言ってるんだけど、なんかすっごく寂しそうな顔してた時があったからさ、俳優の○○に、『ちょっと来てくれない。』って呼んだんだよね。
俳優の○○とはもう付き合いが長くて弟みたいに可愛がってるし、ちっとも芸能人ぶったところがなくて、ホントいい奴だからさ。それに、〇子ちゃんもいい子だからね。僕だけじゃなかなか盛り上げられないし、俳優の○○呼んで一緒に盛り上げて元気付けようって思った訳よ。
まぁ、それがきっかけで、意気投合しちゃってさぁ。
あいつらよくけんかするんだけどさ、それからは僕に、『こんな状況なんだけど、どうしたらいい。』ってしょっちゅう恋愛相談してくる訳よ、全くさぁ、僕だって忙しいんだっての。まぁ、そんな訳だからタレントの子達は、うちでは自分の部屋みたいに安心して遊べるの。Aさん(マネージャー)も、みんながここで遊んでる分には安心だからね。』等といった感じだ。

男性有名芸能人達は皆、 『素人には手を出さないように。』と事務所からきつく言われているので、何かあった時の為にも相手が有名プロダクションの子なら事務所同士つながりもあるので、一緒に対処出来るし、マスコミにバレたりしても、よくある事なので簡単に問題を処理する事も出来、安心なのだ。
だが、相手が素人だと、そうはいかない。何かと面倒なのである。

そして、『初めまして。○○プロダクションの××です。』等と言えば
『あー、君達○○部長のとこの子達なの?なんだあ、僕こないだも○○部長とロケで一緒になって話しが盛り上がっちゃって、結局朝まで一緒に飲んじゃって、次の日朝早かったから、もう二人で目真っ赤にしてヘロヘロになりながら現場行きましたよ。あの時はもう大変お世話になっちゃっいました。』等と言われ、『あっ、そのお話、○○から聞いた事あります。それはうちの○○がご迷惑おかけしましたぁ。』等とすぐにお互いに共通の親しい知人や話題が見つかり、安心出来、話も弾むのである。

そういう訳で、男性有名芸能人の方も、誰構わず遊べる訳ではないので、意外と女の子と知り合う機会が多い訳でもなく、有名プロダクションの女の子なら大歓迎されるのである。
だが、私はタレント仲間から有名芸能人と付き合って週刊誌やテレビ局に追いかけられて苦労した体験談を実際に本人から直接聞いて、心底怖いなと思い怯えていたのだ。
第一、【遊びでした。】とか、【売名行為で近づいてきた。】等と言われたら、大変なショックを受けそうだし、仕事にもかなりのダメージがありそうだ。

彼女達は、判を押した様に皆、映画で重要な役が来れば、脱ぐだけでなく、ハードなベッドシーンもやるのが当然だと考えていた。
一度皆の前で私が、『もしそんな話が来ても、脱ぐか分からない。』と言ったら、その場にいた者達全員から、大バッシングをされ、『そんな素人みたいな考えで、覚悟を決めて仕事をするつもりがないなら、芸能界をやめてしまった方がいい。』と、皆、本気で怒り出したのである。
私は皆がこんなに怒り出すとは思わなかったので、驚いたものだ。
そして皆に熱く語られ、説教をされた。
しかし皆私の為に、もしかして自分自身を納得させようとしているのかも知れないが、こんなにも一生懸命に語ってくれているのだ。
そこで私も、『私が間違っていた、皆の言う通りだ。』と同調せざるを得なかったのだ。

本格的に芸能界でやっていこうとする者にとっては、映画で重要な役に抜擢されたら脱いだり、ハードなベッドシーンがあったり、必要があれば脱ぐというのは、 "1+1=2" くらいに当たり前の事なのである。
"1+1=3”などという答えは、有り得ないのだ。
常日頃から、マネージャー達にそう言われていたり、同じ考えの人達といつも一緒に行動を共にしていれば、そう考える様になるのが当然である。

私も松岡と一緒に住む前、ほんの少し前までは、いつも彼女達と一緒に行動していた。その彼女達を一人一人、頭に思い浮かべてみた。
皆、超有名人の彼女であるくらいなので、ズバ抜けて要領がよい強者ばかりだった。
彼女達がもし、このAVが、絶対に、100パーセント出演した事がバレず、SEXシーンが前貼り有りのただの演技で有り、芸能界の仕事のマイナス要素にならないとしたら、やるだろうか。
答えは当然、イエス、である。
当然、お金の為ではあるだろうが、それだけでなく、AVでベッドシーンの演技を完璧にマスターする事により、映画 " 極道の妻たち" などで大胆な濡れ場のある、そこそこ重要な役が廻って来た時に、キラリと光る大胆な演技を披露する事が出来、監督にも気に入られそうではないか、と皆プラスに考えるはずだ。
まず間違いは無い。
だが反面、バレる要素が例え1パーセントでもあれば決してやらないだろう。
皆、こんなに、水商売のバイトさえ絶対やらない程の犠牲を払って、人知れず苦労をしているのだ。
AV出演がバレてしまえば、それまでの苦労が全てが水の泡となり、芸能生命を絶たれるだろう。
だが今の段階では、素人ならおそらくバレないだろうが、有名芸能人となって、根堀り葉堀り調べられたら当然バレるだろうなといったところだろう。
完璧にバレない事など有り得ないだろう。
もし完璧にバレないという事が有るとするならば、バレた時に、マスコミに表に出されるのを100パーセント止めることが出来る場合に限られるだろう。
そんな事がもし出来たら・・・。

とにかく、この、CMの映像の様なソフトフォーカスがかかった、まるで美しい絵の様なハイクオリティな撮影技術と、一千万円以上もする超高級ビデオカメラによる映像のクオリティの高さを知った事によって、どれだけ精神的負担が取り除かれ、また気分的にも全く違うものになったのであろうか。まさに≪ 目からウロコが落ちる≫ とは、この事である。この事を、いったいどれだけの人が理解しているのであろうか。この映像のクオリティの高さによって、ピンからキリまで天地の差があり、こんなにも大きな違いがあるのだという事が良く分かったというだけで、少なくても、私自身もAVに対する後ろめたいイメージは、根底から覆され完全に取り除かれ、それどころかむしろ安心感があり、これからはあくまでちゃんとしたビジネスとして考えられる程であったのだ。これを理解出来た事は私にとって、非常に衝撃的な出来事であった。

ただ一つ言えるのは、写真や映像の事など全く何も分らなかった私が、付き合っていた超一流の売れっ子カメラマンによって、写真や映像の見方などを勉強させられたりする事が無ければ、カメラや映像の撮影技法にここまでの只ならぬ興味を持ち、こだわる様になった事によって、それが何故こんなにも大切な事であり、またそれがどういう意味を持ち、さらにどうしてこれほどまでの重要なポイントとなるかだなんて、恐らくは決して一生気付く事など有り得なかったであろうし、またここまで深く自ずと理解する事なども、勿論決して有り得なかったという事は間違い無いだろう。だが私は、一瞬映像を見ただけでそれに気付く事が出来たのだ。そう、ほんの一瞬映像を見ただけで自分でも空恐ろしく為る程、情報が頭の中をあっという間に駆け巡り、この事がたちどころに全て理解出来たのだ。

よくよく考えてみると、写真や映像を見る眼を磨いて貰っただけでなく、そもそもが私にLの情報を詳しく教えてくれたのも、そこの社長を紹介してくれたのもそのカメラマンの彼なのだし、松岡が独立した際の源氏名の下の名前まで尊敬する彼の名前を勝手にそのまま付けてしまったし、まるで何だか、私が永遠にリスペクトする彼の、全て受け売りをしている様にも思えてきた。


まあ、とにかく何はともあれ、普通の女の子をAV業界に誘うという、松岡にとっての最大の難関の一つは、一流の作品は、撮影技術や超高級カメラを使い、コマーシャルフィルムの様に、肌の質感を無くし流れている絵の様に見える為、記念に撮っておきたい程の美しい芸術作品なのだという事を、私が松岡に懇切丁寧に説明する事で、一般の営業マンが、自信を持って自社の商品をセールスするがごとく、ごく普通のビジネスの様に何のやましさも無く、堂々と胸を張ってそう説明する事が出来る様にさせてあげられるようになったのである。何と言っても、これでやっと松岡にも、少なくとも罪悪感を無くしてあげる事が出来、安心して仕事をさせてあげられる様になったのである。これにより松岡も、自信を持って心置きなく仕事に励めるだろう。
またこう云った知識を得た事で、私も引っ掛かっていた胸のつかえが取れて安堵する事が出来、私自身をも救われる事になったのである