超ウルトラスーパーAVアイドルプロダクション AV業界の頂点に立った男の真実の物語 27

『ええっ、私のわけ無いじゃん。私は絶対脱ぐことなんて有り得ないし、ましてAVなんて、死んでもやらない、神に誓ってもいい。』と、A子はさも驚いた様に言った。
私はまさか、ここまで確信を持って言い逃れの出来ない、絶対に同じ人物だとはっきりと分かる切抜きまで用意したのに、【死んでもやらない、神に誓ってもいい。】等の単語を持ち出されたことに、非常に腹が立った。
それでは、“金輪際認めない” と言っているのと同じ事ではないか。
そうでなくとも、試行錯誤し、考えに考え抜いた末に自分が考案したと思っていたこの【メジャーなタレントだと絶対にバレない様に確約された上で、特殊な変装や整形をして、完全に全くの別人として同時にAV女優としても活動をするという一部の秘密を知る者達だけの特権 】を、あろうことか自分が一番表面的には仲良くしていた友人であり、ライバルであるA子が、こっそりと “それ” をやり始めたかも知れないと感じ、まさかと思い、私がいったいどれほどの思いでA子のこれらのグラビア類を見つめ、比べてきたと思うのだろうか。
こちらが渾身の力を振り絞り、計画を練って考えていた事を、横からにあっさりと奪取された様な気分なのに、赤の他人や、一般人に対して話しているのならまだしも、一時期、同じセクシーアイドルグループで活動していたタレント仲間であり、表面的には一番仲良くしている女友達のつもりでいたのに、ましてやここまで確信を持って、証拠を並べて話しているのに、あまりにも軽くあしらおうとした事に驚いた。
それに私だって一応タレントの端くれであり、大手芸能プロダクションから、正式に売り出してもらえると約束をされている立場であるのに、こんなにも軽くあしらおうとするだなんて・・・・・。
馬鹿にするにもほどがある。
A子がこの【メジャーなタレントだという事が絶対にバレない事を確約された上で、特殊な変装や整形により、完全に全くの別人として同時にAV女優としても活動をするという一部の秘密を知る者達だけの特権 】をやり始めたわけが無い と、思いたかったのはA子よりもこの私の方なのだ、という事は、おそらく世界中の誰一人として理解してもらえる事はないだろう。
このライバルにまんまと出し抜かれたという悔しさは、当の本人である私だけ、私にしか分らない、理解の範疇を超えた感情なのである。
私の方がどれほど 【間違いであって欲しい。】と、願ったことか。
泣き出したいのは、こちらの方であり、まさに悪夢である。
それに比べ、おそらくA子はただ、この業界でA子にとって信用に足る人物から “この話” つまり【メジャーなタレントだと絶対にバレない様に確約された上で、特殊な変装や整形により、完全に全くの別人として同時にAV女優としても活動をする  というごく一部の限られた者達だけの秘密の特権】だと持ち掛けられ、その条件に納得し、それをただ受けただけではないか。
それを、深夜番組同じセクシーアイドルグループで活動していたタレント仲間であり、女友達の中で一番親しくしている友人である私にバレてしまっただけなのであるから、それを素直に話してくれさえすれば、誰かにバラされる心配も、きれいさっぱり消え去るのであり、単純に解決が出来る話なのだ。

この話をしている間、しょっちゅう携帯電話のやり取りの為に、A子は席を外した。
そしてあんまり戻ってくるのが遅いので外に見に行くと、A子が電話で
『 なんか友達にあんまり嘘をつくのも、何だか騙してるみたいで悪いな、と思っちゃって、どうしたらいいのか。』
と、電話の向こうの誰かに話してるのが聞こえてきた。
(ああ、なるほど、そう云う事だったのね) 
つまり、A子は明らかに、今日私と会って話す事を、事前に誰かと打ち合わせ済みであり、その誰かによって、【この “特殊な変装” の事を、私に秘密にして決して認めないように。】 と、固く口止めされているのである。
そればかりでなく、また、私と会っている時に話した内容を、A子が度々席を立ち、わざわざ外まで携帯電話をかけに外に行っていた時に、逐一報告し、バックに居るその人物からの指示を受けていたのである。
これはもう、つまり、今回私がA子と会う前に、A子が私からの電話を受けた時に、『A子に瓜二つのAV女優を見つけたから、今度会うときに、そのグラビアを持っていくね。』と、私が伝えた時点でバックに居る人物などにそれを報告し、今回私と会った時に話す内容や、逐一指示を仰ぐ事等を、計画していたという事である。
その様子から、あちら側も相当に焦っていると云う事が伺える。

私が戻ってこないA子を心配して様子を見に来たのを見ても、そんな話をそのまま続けているところを見ると、【私は口止めされているだけで、本当の事を話せないのは私のせいじゃない】と、必死で匂わせて、私から恨まれるのを避けたいのであろうか。
だが私も完全に嘘がバレているにも拘らず、まだしらを切り通そうとするその態度に、馬鹿にするのもいい加減にして、と思い苛立ち、A子が席に戻った時に、『ねえ、いい加減に本当の事を話してよ。A子ちゃんが【Y子】だってもう、全部分かってるんだし。』
と、ずっとしらを切り通そうとするA子に食い下がったが、
『だからそれ本当に私じゃないって。それって幾ら何でも酷くない?』
と完全に否定されてしまったのだ。

この時、私がどれ程頭に来た事だろうか。だがだからといってここでケンカをする訳にも行かない。それはA子にしても、勿論そうに違いないのだ。先程のバックにいるプロダクション関係者、若しくはこの【特殊な変装】の黒幕の人物との電話での会話の様子から、多少の事情が掴めた事もあり、ここで "嘘つきっ" と言って絶交するのは簡単だが、取りあえずは、『 そうかなあ、凄おく似てるし、絶対に同一人物にしか思えないけど。でも、A子ちゃんがそういうのなら、別人なのかも知れないよね。』などと言って、【誤魔化されてはいないから。】という、ニュアンスを含ませてそう言ったのだ。
【こいつ完全に騙されたな。】などと本気で思われるのは、我慢出来なかったし、それではA子にも、そのバックにいる黒幕やプロダクションの者にも、馬鹿にされるだけであろう。ここまで全てを知り尽くしている私に対し、【神に誓って違う。】だとか【死んでも有り得ない。】とまで平気で嘘を突き通そうというのだから、少しくらい不安にさせなければ私も、腹の虫が治まらない。
だがここまで強く言う事で、A子はその人物に【私が、かなり強く確信している様だ】と、報告するであろう。

これでとりあえず、しばらく向こうの出方を見たほうがいい、と思った。
それは、勿論、A子の動向を見る為ではあるが、またそれだけではなく、私も数少ない女友達を失うのは寂しかった為でもある。
A子だって、私を騙そうとしてる訳では無く、誰かに固く口止めをされているだけであり、本当は友人である私には話してあげたいと思っているのだと、ほんの少しは信じたかった。
今後も暫く、普通に会ってご飯を食べたり、お茶をしたりしていこうと思った。
勿論A子もまた、私との友達付き合いを、拒否する事は出来ない。
何故ならそれで私が怒って、A子のこの 【メジャーなタレントだと絶対にバレない様に、特殊な変装や整形により、完全に全くの別人として同時にAV女優としても活動するという一部の秘密を知る者達だけの特権 】やA子が【Y子】である事 を、業界などにいきなり暴露されるかも知れない為むしろ、私を近くに置いて、【やはり別人だったと思わせなければならない。】と、バックに居る人物は、そう思うだろうからである。

A子の黒幕である人物がこれ以上このままこの私を軽くあしらえると考える様な、浅はかな人間でなければ良いのだが・・・。

そしてその後も私とA子は、まるで親友の様にちょくちょくと、それまで以上に頻繁に会うようになったのである。