超ウルトラスーパーAVアイドルプロダクション AV業界の頂点に立った男の真実の物語 13

こちらの作戦が功を奏したのか、川井社長は松岡をすっかり気に入った様で、毎日の様に六本木のキャバクラやクラブ等に連れ歩く様になった。勿論それは、女の子をスカウトする名目であったのだが、ほぼ毎日、深夜や明け方に帰って来る様になり、その間ずっと一人で孤独になってしまう事もあり、私は、寂しさと嫉妬心から、川井社長を日に日に憎らしく思っていった。

また本来の仕事であるタレント業で、所属事務所との間で約束しているテレビ番組のMC(司会)が、未だ決まらず不安と苛立ちが募っていた。
元のセクシーグループのメンバー達は、皆それなりに活躍しているというのに、私だけが取り残されていた。
以前仲の良かった業界や芸能界の友達とは、全く連絡も取っていなかったが、グループで唯一仲良くしていた、人気投票で1位だったA子とは、たまにカフェや食事に出かけていたのだ。

だが夜遊びが好きだった私が、それまでプライベートで仲良くしてた夜遊び好きの派手な友人達とは違い、A子の話題は、《好きな男の子と遠距離で告白できない》 だとか、子供じみた少女の様な話ばかりで、無理に話を合わせていたのだが、芸能界の話題になると、そんな彼女からは想像出来ない様な、一般の人が知らない裏情報が、ポンポンと飛び出してきて、A子の知らない一面を垣間見た様で、いつもそれには驚き感心し、《 いったいどこでそんな情報を仕入れてるんだろう。この人はやはり、芸能界の人なんだな 》 と改めて思うのだった。
A子は清純アイドルぶっているのか、まるでアニメに出てくる女の子みたいに、会話の一つ一つに大袈裟に、子供っぽいぶりっこな仕草をつけるのだった。
実際にそういったアニメに出てくる様な、大袈裟なぶりっ子な仕草をする人とは初めて仲良くなった私は、最初の頃口をポカーンとしてしまう程驚いたし、その身振り手振りのあまりのぶりっこさに、一緒にいる私の方が、気恥ずかしくなってくる程だった。

グループ活動をしていた時に、人気投票でA子は1位、わたしは2位だった事もあり、仲良くした方がメリットがあると互いに思い、仲良くしていたのであるが、また互いに女友達が少ない事もあり、その後も度々会い、友達付き合いをしていたのだ。
私はA子を、特別可愛い、とは思わなかったが、表現力がズバ抜けて優れている事は、認めざるを得なかった。

グループ活動中、個別のインタビュー時など、その動作と受け答えのあまりの巧さに、私は衝撃を受け、落ち込んだほどだ。その仕草や話し方などが、まさにこれぞザ・アイドルといった感じだったのである。
なるほど、こういう人がタレントに向いているのだろうな、と思った。
一般にの人にはこういった人は見た事もないし、知り合いのモデルやタレント達にさえいなかった。この巧さはおそらく余多のタレントの中に混じったとしても群を抜いていると言って間違いないだろう。こういう人が一般的に周りにいたら、浮きまくって仕草が大袈裟でぶりっこすぎて女の子の中では、失笑されて嫌われるタイプだ。だが、画面の中では、これ位で丁度良いのだと初めて理解したのである。