超ウルトラスーパーAVアイドルプロダクション AV業界の頂点に立った男の真実の物語 19

『君って最高にイイ女だね。飯島●に初めて会った時と同じで、会った瞬間に"ピン"と来たよ。
この子は、絶対に売れるってね。
君は、絶対に第2の飯島●になれるよ。
●ちゃんを育てたこの僕がそう思ったんだから、間違いないよ。
はっきり言うけど、今、このチャンスを逃したら、大金を稼ぐチャンスも、第2の●ちゃんになれるチャンスも逃してしまうよ。
今だったら、●ちゃんを育てたこの僕が、君の事を事務所を挙げて、全力で一押しで売るけど、今を逃したら、またその間に、いい子が出て来てしまって、君に構っていられなくなってしまうかもしれないし、今が、君にとって女として、一番いい時期だけど、もう暫くしたら旬の時期も過ぎちゃうよ。
それに、僕以上に君の魅力を引き出して、全力で君をバックアップ出来る奴なんていないだろうね。
なにしろうちの事務所は、今、グラビア界でもAV業界でも一番力があるからね。はっきり君の為を思って言うけど、今、このチャンスを逃したら、一生後悔するよ。』などと、社長の愛車フェラーリで送り迎えされ、事務所のスタッフ達の前や、有名カメラマンなどに会わされて、『第2の飯島●と して、うちの一押しで売り出すから、宜しくね。』≫などと、皆に紹介されまくり、事務所のスタッフ達には、『第2の●ちゃんとして、全力でサポートしますから、一緒に頑張りましょう。』などと激励され、有名カメラマンには、  『さっそく南の島にロケに行きましょう。』  等と言われ、こんな風に、のせられまくったとしたら、どうだろう。

そして愛車のフェラーリの車内で、
『ねえ、僕の目を見て。
僕が、嘘や出任せを言っている様に見える?
君はまだ、疑ってるようだけど、そんな嘘や出任せを言っても僕には何のメリットもないし、第一、時間の無駄だよ。
はっきり言って僕は忙しいんだし、実際今だって、自分から是非うちに入りたい、と言って応募して来て、会ってくれって何人にも言われてるし、うちに紹介したい、いい子がいるから、会ってやってもらえないかと、今また事務所にも留守電にも、じゃんじゃん電話が入ってる状態なのに。
こんな状態で、冗談言ってるような無駄な時間は一切ないんだよ。
僕はこれでも、この業界でトップに立った人間だよ。
だからもっと僕を信頼して、安心して、君はただ僕を信じて付いて来てくれればいいんだよ。
そして早く第2の飯島●になって、僕の眼に間違いはなかったと、証明させてよ。
君はただ一言、 " はい " と言って頷いてくれるだけでいい。
そうしたらその瞬間から、君には【 第2の飯島●ちゃん 】としてのスタートが、始まるんだ。
僕がうちの一押しだと言えば、あらゆる雑誌やメーカーの注目の的となるし、君を僕のあらゆるブレーンの皆が、第2の●ちゃんとにしようと一斉に協力してくれて、あっという間にグラビア界のトップアイドルに、押し上げてくれるんだ。
いいね、だから素直に 『はい。』と言って。
後は君はこの僕が認めた女なんだから、もっと堂々と自信を持って、大船に乗ったつもりで僕に任せて、ゆったりしてどーんと構えていればいいんだよ。
そうしたら、今日明日にでも、写真集の撮影で、南の島のロケを決めて見せるよ。
はっきり言って、僕ほど仕事の速い奴はこの世界にいないよ。僕の力がどれほどのものか、君に見せてあげるよ。』  
そして、『ほら、そんな不安そうな暗い顔をしていると、ブスになっちゃうよ。笑ってみて。うん、その方が、ずっと可愛い。今の表情いいね。』
と言ってまるで子犬にするみたく、頭をクシャクシャっと撫でる。
なんだか、気持ちまでコントロールしようとしてるみたい。
たった一言 『はい。』と言えと言われたって、その 【 たった一言 】 こそが、それまで生きてきた中で最も重い一言だと云うのに、こんなにも軽く言わせようとするだなんて。
確かにでももし、今このチャンスを逃したら、もうこんなチャンスや、これ以上のチャンスなんて来ないかも知れないし、断わったとたんに、自分にこんなに期待してくれてるこの人達も、目の前の大金も、フェラーリでの送り迎えも、まるでキラキラと煌めき、シュワシュワと音をたてながら細かい泡が、甘く高貴な香りとともに立ち上ぼり弾け出るシャンパンの気泡の様に、全て一瞬で消えてなくなってしまうのだ。
考えてみれば当たり前の事なのに、それが、すごく怖くなる。
そんなの嫌、堪えられない。
あぁ、どうしたらいいのか判らない。
どうしたらいいのか判らなかったが、ただうなずくだけで、目の前の一千万が貰える事だけは、確かな様だ。

『欲のない奴は、男でも女でも成功できない。
文明がこれだけ発達したのだって、あんな物やこんな物があったらいいなって云う人間の欲を、形にして発明したり、築いたりして来たから今があるわけで、欲がなければ、未だに石器時代なんだろうし、欲があるほど、それを満たす為にはどうしたらいいかって考えて、それを得る為に突き進むからね。
だが、逆に、欲のない奴は、ちょっと困難な事にぶち当たったり、好きな人が出来たから、とかいったつまらない理由、僕から見たら、実にくだらないらない理由で、すぐに仕事でも何でも、放って逃げてしまうのさ。だから、欲の無い奴は、僕は信用しない。
人間にとって、欲っていうのは必要悪なんだよ。
だから、成功した奴は、皆、貪欲なのさ。
君に最初会った時に、貪欲な女だなってすぐに直感で分かったよ。いい意味でね。
で、この子は伸びるなって、思ったね。
もうガチガチに常識や綺麗事なんかで自分自身をこり固めたりせずに、もっと自分の気持ちを開放してあげて、欲望に忠実になるんだ。
そして欲望のままに突き進んでごらん。
それが一番自然なんだよ。
そうしたら、いつのまにか欲しいものが、勝手に手に入っているさ。
常識がどうこう言ってる奴が、君が本当に困ったって、しょせん他人事だと思って、いいかげんな事を好き勝手に言うだけで、君にお金をくれるわけでもなく、そんなの何の根本的な解決にもならないのにね。
それどころか、自分に火の粉が降ってこないように君から離れて行ったりしてね。
全く、無責任なもんさ。
それで君は、そいつ等と群れてあちら側にいられれば、それで満足なの?
そんな奴らは、放っておいて、こちら側に来いよ。
奴らは、群れないと生きていけないのさ。
そして、成功した奴の陰口を言うのが好きなのさ。
僕だってずっと一匹狼だよ。
僕なんか、悪口ばかり言われて奴らの間じゃ、酷い悪人って事にされてるよ。
これでも自分では、いい奴のつもりなんだけどね。
こっちは、何もやましい事してないんだから、周りにどう思われようと、気にするな。
結局は、稼いだ者、売れた者勝ちなんだよ。
だいたい君は、普通の女の子が、一千万を貯金する事が、どれだけ大変な事か、分かってる?
"常識"は、君に大金をくれる事もないし、全くそんなもの、腹の足しにもなりゃしないよ。
だけどお金だけは、君を裏切らないし、ある程度の問題なら解決出来るからね。
結局そんな綺麗事なんかよりも、いざという時に信用できるのは、お金だけでしょ。
だけどOLや、ちょっと水商売でバイトしたって、普通には暮らせても、そんなに貯金なんて出来ないでしょ。その仕事が本人にとって、よっぽどやりたい仕事や、やりがいのある仕事ならば、勿論、話は全く別だけど、でも、そう云うわけじゃないんでしょ。
やりたくもない仕事な上に、貯金すら出来ないのに人生の一番大事な時のほとんどをずっと拘束されるなんて、勿体無いよね。
君は会社や店の奴隷になりたいわけでも、愛社精神があるわけでもないんでしょ?
それに君は、そこで満足出来る女じゃないでしょ?
だけど今君は、幸運にも、こうしてこの僕に見つけられたんだ。
だからもう、そんな退屈でつまらない生活は全部捨ててしまって、羽ばたいて、光り輝いて見せてよ。
君は、僕が見つけたダイヤモンドの原石なんだから、磨けば光輝けるはずだよ。
これからはもっと、自分の心を開放して、自分の欲に素直に忠実になるんだ。
いいか、よく聞けよ。
今は僕のブレーンは、僕の言う事だから動いてくれるけど、君がこの世界でトップになったら、僕が言うからじゃなく、皆、君の為だから動くようになるんだ。
そうして皆、をかしずかせろ。
君がトップに立った時には、僕だって君にかしずくさ。』
と言ってクスっと笑う。
『僕にこれだけ言わせるなんて、君ってすごい女だね。』

今、すぐ横で、フェラーリの運転席に座っている端正な顔立ちをしたこの人は、まだ若いのに、あの飯島●を生み出した、今や飛ぶ鳥を落とす勢いと言われているプロダクションの社長であり、業界では有名な成功者なのだ。
そんな、自分とは全くかけ離れてると思われる人が、今、すぐ隣にいて、いつのまにか信頼し始めている事が、なんだかとっても不思議な事の様に思える。
まるで、催眠術にでもかけられてしまったみたいだ。
何故か、夢の中にでもいるみたいに、現実とは思えない。

先程連れて行かれた、恵比寿の高級イタリアンレストランで、勧められるままについガブ飲みしてしまった白ワインで、酔いが廻って来たせいだろうか。
それとも、ここ最近、悩み考え過ぎてしまい、なかなか寝付けなかったせいだろうか。
あるいは、この流れるような極上な、甘美な言葉のテクニックに酔いしれてしまったのだろうか、脳がとろけてメルトダウン寸前だ。
もう抵抗し、抗う気力も、言葉も浮かんで来ない。
そして思考停止状態になり、もうこれ以上、これからの事を考えるのも面倒になる。
もういっその事、自分で考える事を止め、この男に委ねてみようかと思い始める。
そして、フェラーリの助手席で、上等な皮のシートにもたれかかり、呆然となっているところに、
『どう、この一千万が、欲しくなってきた?』
無言のまま、コクリとうなずくと、
『いい子だ、そう、それでいいんだよ。ちゃんと欲しいって言ってごらん。』
『・・・欲しい・・・』
『やっと素直になったね。君は頭がいい。』
優しく髪を撫で、 
『もう何も心配しなくていい。。
僕が全て受け止めて、全力でガードするから。
あとは、僕を信じて僕に任せればいい、決して後悔はさせないから。』
そう言って社長は、ニヤリと笑った。

女は、いくら自分を口説き落とす為に言っている、常套手段だと、頭の奥では判ってはいても、目の前で繰り広げられる、甘いふわふわとした綿菓子の様な美辞麗句には、弱い動物なのである。

今すぐ決めて欲しい、今を逃したらもうチャンスはないなど、急かすなど何だか、まるでマルチ商法の勧誘の様では有るが、それも、AVに口説き落とす為のテクニックなのだ。
とまぁ、こんな感じでターゲットとなり、この様に仕込まれ、舞台をセッティングされてしまったら、もう、型に嵌められたも同然だな、と思う。
むしろ、それを跳ね除けられるほうが、普通ではなく余程のツワモノだろう、と思う程である。
もっともこのシナリオは、あくまでも私の想像である。